【ちょいラボ No.01】Grand Beatbox Battle 2019について
どーも、Beatbox Lab.のZU-nAです。
本日、Youtube動画アップしました。
Grand Beatbox Battle 2019 ラボ的総合分析!バトルの傾向、今後の展開予想【BEATBOX LAB.】
動画だとどうしても細かい情報が伝わりにくいので、補足の意味も込めてブログでもお話をさせて頂こうと思います。
あくまで本動画でのトークは「ラボ的」なもの、つまりZU-nAとMAHONE、2人のフリートークから生まれた個人的なもののため、頂戴します反論や異議についての対応は致しかねますので予めご了承ください。
私たちとしてはできる限り調べながら動画を見ていきましたが、見解が至らない点が多々あるかと思います。そちらにつきましては、皆様からの貴重なご意見を参考に、もっと知識を深めていけるよう頑張っていきますので、よろしくお願いいたします。
Grand Beatbox Battle とは?
Grand Beatbox Battle(グランド ビートボックス バトル)
2011年から国際イベントとして開催されている、世界最大級のヒューマンビートボックスの大会です。
"毎年開催の世界大会"(オフィシャルと言われる世界大会BBBWCは3年に1度のため)と言われるほど、ハイレベルなバトルが繰り広げられます。
参加するプレイヤーは、"ワイルドカード"と呼ばれる動画予選によって選ばれるプレイヤーと、近年での国際大会成績上位者が招待選手としてエントリーします。
2013年からはループステーション(BOSS社の多重録音機器)を使ったバトルカテゴリ、2016年からはタッグチーム(2人1組)のバトルカテゴリが追加され、2018年にはソロバトル含めた3カテゴリでのワイルドカード予選も開催されるなど、カテゴリ・ルール等も世界最先端のものを積極的に採用していく大会となっています。
GBB 2019について
毎年のGBBの特徴でもありますが、そのときの勢いのあるプレイヤーが出てきますので、今年の顔ぶれもとてもワクワクするラインナップでしたね。
ラボとしては2019年ブレイク予想をした際にご紹介しました、CLOUD、TOMAZACREもエントリーしておりました。
ソロバトルではBATACO、SHOW-GO、ループステーションではSO-SOといった、日本勢も近年では実力を評価されての参加が多く、同じ日本人としては純粋に嬉しかったですね。
GBB 2019 の結果について
もちろん、すでに大会は終了しておりますので、結果からおさらいしていきましょう。
ソロバトル
優勝:D-LOW(UK)
準優勝:TOMAZACRE(CHL)
ループステーション
優勝:Rythmind(FRA)
準優勝:NME(ITA)
タッグチーム
優勝:Uniteam (Alem and Alexinho:FRA)
準優勝:Middle School (FootboxG and Supernova:BEL)
特にTOMAZACREの躍進、SO-SOのBEST4進出は大ニュースでしたね。
ソロバトルを見た全体的な感想
ここから実際に動画を見た感想や考えたことをシェアさせて頂きたいのですが、じっくりと見ることができているのがソロバトルだけですので、今回はソロバトルにフォーカスしてお話をさせていただきます。
あくまで動画のみを見ての感想ですので、当日の会場の盛り上がりや実際の音量・音圧などを加味できないことが非常に残念です、、、。
※情報が限定されている中での感想や考察になりますので、予めご了承ください。
まず最初に感じたことは、
例年に増して多様性に富んだ顔ぶれであること
ビート主体で刻み倒す"スキル押し"のプレイヤーもいれば、音楽としての構成やメロディーラインを含めた曲としての完成度で勝負するタイプのプレイヤー、ステージ上での熱量(ヴァイブス)が特徴的なプレイヤー…などなど、それぞれが濃い特徴(キャラ)を持っていて、誰1人スタイルが被っていないという所が、動画を見る前からワクワクさせてくれました。
バトルらしいバトルが多かったこと
バトルらしいバトルっていうとちょっとわかりにくい表現になってしまいますが、ざっくりしたイメージで言うと「対戦相手に向かっていく姿勢が強く見られたバトルが多かった」と感じました。
近年はショーケースバトルと名前がつけられることもあるように、バトルと言っても各々が持ち寄ったルーティンを同じステージ上で交互に披露するという印象が強いことが多いソロバトル。
出場者のスタイルによっても大会全体の印象は変わってしまうかと思いますが、今回のGBBはバッチバチのバトルが多かったのではないでしょうか?
ラボ的ベストバウト
B-ART vs D-LOW | Grand Beatbox Battle 2019 | SEMI FINAL
ZU-nA、MAHONE両方ともこのバトルを挙げさせて頂きました。
(1本目)
先攻:B-ART
1本目からバイブス全開勝負を仕掛ける。彼らしいインワードベースメインのブリッジから四つ打ちからのテンポを半分に割っていく。全体構成としてはよくある流れですが、彼のステージングと準決勝までの勢いが相まって興奮させられる!
後攻:D-LOW
B-ARTのビートを聞いてかどうか、あえて間を置きBPMをやや遅めとった聴きやすい四つ打ちから入り、徐々に独自の世界感への引き込んでいく。それをアウトインのボイスを織り交ぜた不思議感あるビートをクッション材料にして、速いビートと重いビートにインパクトを持たせる構成。完全に空気を持っていっての追い込み。
(2本目)
先攻:B-ART
あれだけ攻められても勢い衰えず。ドラムンベース好きの私としてはブリッジからのあのドロップへの展開はもう好きすぎてつらいです、、、。
後攻:D-LOW
真っ向勝負のドラムン返し。少しグライム寄りに感じるのがUKっぽさを出している気がしました。四つ打ちに戻るかと思いきや、ドラムンのリズム感をキープして進めていきます。そして、、、帽子でおちょくるステージング。さすがのバク宙キング。
Winner:D-LOW
全票D-LOWに挙がりましたね。相手の気合いや流れを上手く利用したD-LOWに軍配が上がった印象があります。が、これはB-ARTとではないと作れなかったバトル、まさにベストバウトではないかと!
あと、、、
D-LOW vs COLAPS | Grand Beatbox Battle 2019 | 1/4 Final
くぅぅぅ!このタイミングでこの2人当たっちゃうか!
ってのもありました。(余談
ラボ的MVP
MAHONE
彼のMVPは言うまでもなくTOMAZACRE!
TOMAZACRE | Grand Beatbox Battle 2019 | Solo Elimination
彼にしか出せないベースのあの音質は、そのジャンルの音楽を愛していることが伝わる音ですよね!
そんな感じで、彼を良い例として、愛してやまない音楽を体全体から表現できるプレイヤーが勝ち進んでいる印象がありましたね。
ZU-nA
私は、AUDICALをピックアップさせて頂きました。
AUDICAL | Grand Beatbox Battle 2019 | Solo Elimination
今回は残念ながら予選落ちではありましたが、彼特有のサウンドがふんだんに盛り込まれた、完成された全体構成というのは非常に聴き心地が良いものがありました。
今回の動画を見た総括
総括っていうとおこがましいですが、私たちが感じたことを。
低音至上主義!?
ビートボックスのバトルシーンではベースミュージックを基本とした音楽的流行はまだ続くのだろうと感じました。まぁだって、ベース音って有無を言わさずなんかカッコいいですもんね!
前述した通り、いろんなスタイルのプレイヤーに対する評価がされてきている時代ではあるものの、その根底はベースミュージックなのでしょう。
低音至上主義と言いますか、まだその空気感は続きそうですね。
ネクストステップを垣間見させられた今大会
テクニカル(細かい刻み)が流行った時代、インワードリップベースが流行った時代など、年によって流行りや傾向ってありますよね。
今大会はそれらがまた一通り出切った感じを受けたタイミングでもありました。それはつまり、ビートボックスの新たな進化がすぐそこまで来ているのではないかという感覚。
それがループステーションやタッグにおける、音を同時に重ねることで生まれるより、現代音楽に近い表現というところもあるのかなぁと感じつつ、ソロでの進化に期待する僕らでもあります。
さいごに
ビートボックスの進化はとどまるところを知らず!
ラボとしても、より研究を進めていきたいと思わせられる数多くのパフォーマンス、それに基づく多くのヒントを得ることができた大会でした。
さて、どうなってしまうんだろうか、ビートボックスとは。。(ワクワク